バンダアチェ 津波博物館
バンダアチェにははじめ泊まるつもりはなくて、津波博物館を見たらそのまま空港に行って空港で寝て早朝の便でジャカルタに行こうと思っていました。
しかしどうでしょう。一時間半で着くと言われた遅い船はなんと2時間半ほどかかり、津波博物館は閉まってしまいました(´;ω;`)
仕方ない。ここまで来たら泊まって明日ゆっくり見に行こう。
ベチャのおじさんに紹介してもらって安宿へ。
別にきれいなわけではないけど、むしろ汚いほうだけど、ウェ島のあの宿を思えばこんなの余裕です。
次の日、津波博物館へ。
ここバンダアチェは2004年のスマトラ沖地震で大津波に襲われ22万人もの死者・行方不明者が出た大災害があった。
今は道路も建物もすべてあたらしくなりそんな大津波で流された街には見えないけど、ほとんどの人が家族や友人を亡くしている。
この津波博物館は当時の写真やどうのようにしてここまで復興したかが見れる。
だけでなく、津波の仕組みや、逃げ方など防災意識を高めるための施設にもなっており、観光客よりも地元の人が多くみられた。わたしの場合は日曜に行ったから尚更かな。
津波前の地震では一部の建物が崩壊しただけで、そこまで被害は大きくなかったそうだが、その後の津波はなんと10メートルを超え、ほぼすべての建物を根こそぎ流してしまった。
どれほどおそろしかったことか、、、
そして資料をみて進んでいくと、突然日本の和歌山県の世界遺産登録アピールのパネルが現れた。
なぜここに?
もう少し先を見てみると、和歌山県に伝わる「稲むらの火」という日本のお話が。
これは1854年に和歌山県で起こった安政南海地震の際に濱口儀兵衛という人物が、収穫後の稲むらに火を放って、たくさんの村人たちを津波から救ったという本当にあったお話。
このお話の教訓を受け継ぎ和歌山県には「稲むらの火の館」という施設があり、ここスマトラの津波博物館と協力協定を結んでいるそう。
そのため日本のパネルコーナーがあったのだ。
稲むらの火の再現VTRも日本語にインドネシア語の字幕つきで流れていた。
英語しかわからない観光客はスルーしてたけど。
地震大国のインドネシアと日本。災害が多い地域同士、情報共有をして防災意識をお互いに高めていけたらいいなと思いました。
このあとホテルのおじさんがなぜかすごく優しくて、飛行機のチケット取るのに旅行代理店に連れていってくれたり、観光案内もしてくれました。
その中で津波が起こった時の様子とかを詳しく教えてくれました。
まず、わたしが止まっていたホテルも津波にのまれた場所。だからできたのはここ最近。
(だからといってキレイではない。)
すぐ近くには海から流され来た船がドーンとそのままになっている。ボートではない。船。
すごいでかい。
また、流された範囲に田んぼもたくさんあるが、当時はすべて塩水になってしまい、津波から4年間は稲が作れなかったそう。
そして、もともとあった建物の中で流されなかった建物は数件だけ。ひとつはモスク。
そのほかはほとんど日本が建てた建物だそうだ。
日本の建築技術はすごいってほめてたよ!
確かに、、、耐震構造でいえば、このあたりの家は一瞬で倒壊しそうだ。津波後の建物のなのに、、、
まぁでもね、インドネシアだからね、日本みたいな技術で全部の建物を立て直すとはならないよね。
こうして色々教えてもらってから街を歩くと、ここにいる人たちもみんな、大切な誰かを亡くしたけどみんなで協力してここまで頑張ってきたんだな、と思うとなんだか胸が熱くなった。
ただ、津波博物館にはお土産屋さんがあるんだけど、
「TSUNAMI MUSIUM」とか「TSUNAMI 2014.12.26」ってプリントしたTシャツとかキーホルダーを売ってて、それはどうなんだろうな~と思いました。
欲しくないでしょ誰も。そこで商売しなくてもいいだろうに、、、と
お国柄が出ます。
わたしはまだ東北の被災地には行ったことがありません。
テレビとネットで報道されていることしか見ていない。
本当の本当にあったことをこの目で見てはいません。
あんな小さい国のすぐ近くで起こったことなのに。
次日本に帰ったら、行ってこようと思います、東北。
自分の目で、自分の国で起こったことちゃんと見ておかなきゃなと思いました。
もう5年もたっちゃったけど。
こないだ呼んだ青山繁晴さんの「ぼくらの祖国」という本で当時の状況や福島第一原発でなにが起こったかなど初めてちゃんと知りました。
一度ちゃんと調べなきゃな、、、と思いながらも他人事だったんです。
ほんとはすぐそこで、現在進行形で起こっていることなのに。
今も復興の途中だというのに。
自分の国で起こったこと、そして自分の国の問題、ちゃんと後回しにせず勉強して、日本人がどうやってこの危機を乗り越えたのか、海外で聞かれたときに話せるように、子どもができたときに説明してあげれるようにならないといけないなと思った。
今も避難生活を送っている被災地の方々。
彼らにとって震災は終わっていない。まだその中にいて、それでも必至に生きている彼らを私たちが応援してあげなくてどうするんだ。
災害の国だからこそ、なにかの時はより一層強く団結して、みんなで同じ方向を向いて励ましあい助け合うのが必要なんだと強く思ったアチェ観光でした。
ほんと日本ていろんな意味で本当に特殊!
おもしろいぐらい個性が強いし、世界に類をみない国だなーと思います。
もっともっと自分の国のこと知りたいし、本当の姿を知らなきゃいけないんだなって、最近は本に感化されて思っています。